「高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法」の実施が、自己効力感の改善と作業選択の支援に役立った事例

文献の紹介です。

日谷 正希(北見赤十字病院), 本家 寿洋, 山田 孝
作業行動研究(0919-5300)18巻3号 Page152-161(2014.12)

【要旨】
子宮体癌と脳梗塞を併発し、抑うつ気分を示す高齢女性に対して予備的に作成した「高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法(以下、楽しさ評価)」を施行した結果、はがきという楽しい作業を自ら発見し、内発的な動機づけによりはがきの記載を再開した。これをきっかけに事例の活動量が増加し、調理や機能訓練にも積極的に取り組み、今後の生活における作業選択が可能となった。この著明な変化は、楽しさの想起によって、意識を身体から作業へと自然に向けることができ、将来の絶望感や不安ではなく、今できることに入り込むことができたからと考えた。そして、はがきへの作業参加が、溜め込まれていた苦しい想いを解放し、自身を見つめ直していく過程の中で作業選択が語られたと考えた。

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